賃貸でできる耐震固定|穴あけなしで家具を固定する方法と限界
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この記事の確かめ方
- ✅ 確認した事実:東京都消費生活総合センターの商品テスト(2015年公表)の震度別テスト結果、東京消防庁の固定方法の効果順位案内、サンワサプライ公式ページの耐荷重表記(いずれも確認日2026-07-24)
- ✅ 手法:各公式ページの可視本文を取得し、数値・表記をそのまま引用(/methodology)
- ❌ 未評価:自宅の家具・壁・床での再現性(試験は特定の家具・特定の地震波での結果)
- 🔄 改定:商品の表示内容・耐荷重は変わりうるため、購入前に必ず公式サイトを確認
結論(先に)
- ネジで壁・柱に固定できるなら→L型金具などのネジ止めが最も効果が高いと東京消防庁が案内している。
- 賃貸で穴を開けたくないなら→ストッパー式(または粘着マット式)とポール式を2つ組み合わせる方法が、ネジ止めと同等の効果があるとされている。
- ポール式だけで済ませたいなら→東京消防庁の案内では単体使用は効果が小さいとされ、東京都の実測でも震度6強相当で転倒した検体があった。過信は禁物。
- 「震度7対応」という表示を鵜呑みにしたくないなら→東京都の商品テスト結果を先に見てほしい。
何を比べたか
| 情報源 | 確認できること | できないこと | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 東京都消費生活総合センター | 市販グッズ7検体の震度別(加振60%/100%)転倒有無・移動量cm | 商品名・型番との直接の紐づけ | 2026-07-24 |
| 東京消防庁 | 固定方法(ネジ/組み合わせ/単体)の効果の順位 | 効果の数値化(%等) | 2026-07-24 |
| サンワサプライ | 型番ごとの耐荷重(kg) | 震度いくつまで耐えるかの実験値 | 2026-07-24 |
選び方:この分野は「震度の実験値」と「固定方法の順位」を別々に見る
メーカーの商品ページには耐荷重や「耐震度7」のような独自表記はあっても、「震度いくつで倒れるか」を示す数値はほとんど出てこない。これは確認した範囲でも同じだった。その穴を埋めるのが、東京都と東京消防庁という公的機関の実験・案内になる。だから比較する時は、①メーカー公表の耐荷重、②都の実測(震度別の転倒有無)、③消防庁の固定方法の順位、の3つを別の軸として見る必要がある。どれか1つだけで「これで安心」と判断しない、というのがこの記事の立場。
震度別に何が起きたか(東京都の実測)
2015年3月10日公表の東京都消費生活総合センターの商品テストでは、粘着マット式・ストッパー式・ポール式の市販の転倒防止器具(合計7検体)をタンス・食器棚に取り付け、兵庫県南部地震の地震波(震度6強相当)とその60%(震度6弱相当)で加振する試験を行った。
結果は次の通り。
- 震度6強相当(加振100%):試験した7検体すべてで家具が転倒(転倒相当を含む)した。「震度7対応」を示唆する表示の商品も含まれていた。
- 震度6弱相当(加振60%):明確な震度表示のない3検体で試験したところ、1検体が転倒、2検体は10〜30cm程度の移動にとどまり転倒はしなかった(残り4検体はこの震度では試験していない)。
都自身が「特定の地震波・設置方法等の条件で実施した試験であり、転倒防止器具の効果の有無や優劣を示すものではない」と注記している点も、そのまま書いておく。
詳しい条件・検体構成は東京都消費生活総合センターの確認カルテにまとめている。
組み合わせると何が変わるか
同じテストの中で、単体使用では家具が転倒した器具を食器棚の上下に組み合わせて固定し、震度6強相当で再試験したケースがある。結果は、家具は転倒せず、移動も10cm以下に抑えられた。
この結果は、東京消防庁が案内している「固定方法の効果の順位」と方向性が一致する。東京消防庁は、最も効果が高い方法をネジで壁・柱に固定するL型金具などとした上で、賃貸住宅などでネジ止めが難しい場合は、ストッパー式(または粘着マット式)とポール式を2つ組み合わせることで、L型金具と同等の効果を発揮するとしている。ポール式を単体で使う場合は効果が小さいとも案内している。
ただし、この順位は図による定性的な案内であり、東京消防庁のページ自体に「○%減」のような数値化はされていない。数値で言えるのは東京都の実測分だけ、という切り分けをしておく。
詳しくは東京消防庁の確認カルテへ。
メーカー公表の耐荷重を型番で見る(サンワサプライ)
サンワサプライの公式ページでは、耐震グッズの耐荷重が型番ごとに数値で公表されている。
- 耐震ストッパー(QL-78N):メーカー表記「耐震度7」/耐荷重150kg(1個あたり)
- 家具連結器具(QL-E101):メーカー表記「耐震度6強」/耐荷重250kg以下(1本あたり)
- 耐震ゴム(粘着マット式):型番によって耐荷重の差が大きい。QL-51/68N/74CL/E84は4枚で100kg、QL-52/69は70kg、QL-71N は36kg、QL-76CL/E85は16kg、QL-53は12kg。
「耐震度7」「耐震度6強」という表記は、確認した範囲ではメーカー独自の目安表記であり、JISなどの公的な性能等級ではない。この点は東京都消費生活総合センターのテスト対象商品にも同様の独自表記が見られたことと合わせて、購入前に覚えておく価値がある。
詳しくはサンワサプライの確認カルテへ。
用途別の考え方
- 持ち家・原状回復を気にしない→L型金具などのネジ止めを優先。東京消防庁の案内で最も効果が高いとされる方法。
- 賃貸で穴あけ不可→ストッパー式(または粘着マット式)+ポール式の組み合わせ。東京都の実測でも、組み合わせで震度6強相当の転倒を防いだケースがあった。
- とりあえずポール式だけ設置している→東京消防庁の案内では単体使用は効果が小さいとされる。東京都の実測でも震度6強相当で転倒した検体があった点は認識しておいた方がいい。
未評価の明示
このページで扱った数値は、いずれも特定の地震波・特定の家具(タンス・食器棚)・特定の設置条件での結果であり、自分の部屋の壁の強度や家具の重心、実際の地震の揺れ方まで保証するものではない。「これを付ければ絶対に倒れない」という断定はできない。固定方法や商品選びの最終判断は、各メーカーの公式ページで最新の取扱説明書・耐荷重・対象家具を確認した上で行ってほしい。
対象外にした点
このページでは震度別の実測値・固定方法の効果順位・耐荷重の3つの一次情報に絞った。個別メーカーの「耐震度7」表記の実験条件(加振の周波数・波形など)は、確認した範囲の公式ページには記載がなく、要確認のまま扱っている。
出典・確認日
- 東京都消費生活総合センター「家具転倒防止器具の性能」商品テスト結果(公表2015-03-10・確認日2026-07-24)
- 東京消防庁「自宅の家具転対策」(確認日2026-07-24)
- サンワサプライ 防災・耐震グッズ製品ページ(確認日2026-07-24)
数値・表示内容は今後改定される可能性があります。購入・設置の前には、必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。