耐震マット(粘着ゲル)の選び方|東京都・東京消防庁の公開ページで確認できたこと
耐震マットの棚を見ると「震度7相当」「耐荷重50kg」みたいな表示が並んでる。でも「震度いくつまでなら本当に倒れないか」を書いてる商品は、僕が確認した範囲ではほぼ無い。メーカーの独自試験で「◯◯対応」と書いてあっても、その中身までは分からないことが多い。
そこで今回は、メーカーの自己申告じゃなく、公的機関が実際に揺らして測った数字を拾って比較した。東京都消費生活総合センターと東京消防庁、両方の公式ページの本文を取得して確認できた分だけを書く。数字を盛るくらいなら、確認できなかったことは確認できなかったと書く。
この記事の確かめ方
- ✅確認した事実: 東京都消費生活総合センターが2015年3月10日更新の商品テストで、震度6強相当の加振では市販の転倒防止器具7検体全てで家具が転倒(転倒相当を含む)し、震度6弱相当では1検体が転倒・2検体は10~30cm移動したことを公式ページで公表している。東京消防庁も「家具類の転倒・落下・移動防止対策」ページで、ネジ止め(L型金具等)が最も効果が高く、ストッパー式(粘着マット式)とポール式の組み合わせはL型金具と同等の効果になると案内している(いずれも公式ページの本文を取得・確認、2026-07-23)
- ❌未評価: 固定方式ごとの効果差の数値化(消防庁ページは順位のみで○%減等の数値は無い)、市販されている個別の耐震マット製品(粘着ゲルタイプ)の型番ごとの耐荷重・実際の粘着力・経年劣化。これらは僕自身がまだ実測していないので、点数はつけない
- 🔄この記事は個別製品のカルテを増やし次第、型番ごとの数値を追記する
結論(先に)
- 壁に穴を開けられるか、賃貸などで開けられないかで、選ぶべき固定方法は変わる。東京消防庁の公式ページでは、ネジ止め(L型金具等)が最も効果が高く、ストッパー式(粘着マット式)+ポール式の組み合わせはそれと同等の効果になると案内されている(数値化ではなく順位として)
- 粘着マット(や他のストッパー式)だけを単体で使う場合、東京都の商品テストでは震度6強相当で7検体全てが転倒しており、単体使用だけで震度6強相当でも転倒しないと言える公的データは無い
- メーカー公表の耐荷重・震度表示をそのまま信じるのではなく、公式の一次情報を自分でも確認したほうがいい
都の商品テスト・消防庁の解説ページについて(今回分かったこと)
東京都消費生活総合センターは2015年3月10日更新で、市販の家具転倒防止器具についての商品テスト結果を公式ページで公表している。テストでは「粘着マット式」「ストッパー式」「ポール式」の7検体をタンス・食器棚に取り付け、兵庫県南部地震の地震波(震度6強相当)とその60%(震度6弱相当)で加振している。
分かったこと:震度6強相当では7検体全てで家具が転倒(転倒相当を含む)した。震度6弱相当でテストした3検体では、1検体が転倒、2検体は10~30cm程度の移動にとどまった。単体使用では転倒した検体を上下に組み合わせて使うと、震度6強相当でも食器棚は転倒せず10cm以下の移動に抑えられたケースがあったとしている。
東京消防庁も「家具類の転倒・落下・移動防止対策」ページで、ネジで壁・柱に固定するL型金具などが最も効果の高い対策だとした上で、賃貸などでネジ止めが難しい場合はストッパー式(または粘着マット式)とポール式を2つ組み合わせることで、L型金具と同等の効果になると案内している。
正直に書いておく:このテストは2015年時点で購入した特定7検体・特定の家具(タンス・食器棚)での結果で、市販されている全ての商品や全ての震度に当てはまる保証ではない。また効果の比較は「震度6強/6弱で転倒したか・何cm動いたか」という実験結果であって、消防庁の効果順位も○%減のような数値化はされていない。個別の型番ごとの数値を知りたい人は、都・消防庁それぞれの公開ページや報告書を直接あたってほしい。
選び方の軸(このカテゴリはここで比べる)
耐震マット単体のスペック表示を見比べるとき、実際に効いてくるのはだいたいこの3つ。
- 固定方式そのものの効果差:東京消防庁の公式ページでは、ネジ止め(L型金具等)が最も効果が高く、ストッパー式(粘着マット式)とポール式を組み合わせるとそれと同等、ポール式単体は効果が小さいと案内されている。ただしこれは順位であって、○%減のような数値化はされていない
- 単体か組み合わせか:東京都の商品テストでは、単体使用で震度6強相当でも転倒した検体を上下に組み合わせたところ、同じ震度6強相当で転倒せず10cm以下の移動に抑えられたケースがあった。ただし7検体中の一部の組み合わせでの結果で、全ての製品の組み合わせで同じ効果になるとは限らない
- メーカー公表値の中身:耐荷重kg・「震度◯対応」の表示が、どんな条件下(何回の加振・どんな地震波・どの家具)で出た数字なのかは、各社の商品ページを個別に確認しないと分からない。今回はそこまでの製品別カルテはまだ無い
ネジ止め・組み合わせ・単体、どれを選ぶか(トレードオフ)
賃貸で壁に穴を開けられない、という制約がある人は多いはず。その場合、東京消防庁の公式ページでは、ストッパー式(または粘着マット式)とポール式を2つ組み合わせることで、最も効果が高いとされるネジ止めのL型金具と同等の効果になる、と明記されている。ただし、これは効果の順位を示したもので、○%減のような数値化はされていない(要確認)。
つまり、粘着マットを買うなら「これ1枚で終わらせる」より「ポール式や他の固定具と組み合わせる」方が、東京消防庁が示す効果の順位でも安全側だと言える。逆に穴あけができる持ち家なら、ネジ止め(L型金具等)が最も効果が高いとされている(同ページ)。
未評価の明示(粘着マット単体の実力)
東京都消費生活総合センターの商品テストでは、震度6強相当の加振で7検体全てが転倒(転倒相当を含む)、震度6弱相当では1検体が転倒・2検体が10~30cm移動という結果が出ている。単体使用だけで震度6強相当でも転倒しないと言える公的データは無いということだ。
ただし、これは2015年に購入された特定7検体・特定の家具(タンス・食器棚)での結果で、市販されている粘着ゲルタイプの耐震マット全般が同じ挙動をするとは限らない。型番ごとの移動量cmまで示した公的データは、今回確認した範囲では見つけられなかった。気になる人は、東京都消費生活総合センターの商品テストページと、東京消防庁の「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」を直接読んでみてほしい。どちらも一般公開されている。
JIS等の公的規格について
今回確認した東京都・東京消防庁のページには、家具転倒防止具そのものに対するJIS等の公的な性能等級・規格の記載は見当たらなかった。メーカーが独自に付けている「耐震度」表示のようなものは、業界横断の統一規格ではない可能性がある点は覚えておいた方がいい。
参考にした公開ページ・確認日
- 東京都消費生活総合センター「商品テスト結果『家具転倒防止器具の性能』」(2015年3月10日更新) https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/kagu_tentouboushi.html (2026-07-23取得・本文を確認)
- 東京消防庁「自宅の家具転対策」 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/bou_topic/kaguten/measures_house.html (2026-07-23取得・本文を確認)
料金・仕様・公的機関の情報は改定されうる。個別の製品を買う前は必ず公式サイト・最新の一次情報で確認してほしい。
震度別・転倒防止テスト結果
| 条件 | 検体数 | 結果 |
|---|---|---|
| 震度6強相当 | 7検体 | 全て転倒(転倒相当を含む) |
| 震度6弱相当 | 3検体 | 1検体が転倒、2検体は10~30cm移動 |
| 単体使用→上下に組み合わせ(震度6強相当) | 一部の検体 | 転倒せず10cm以下の移動に抑えられたケースあり |
固定方法別の効果比較(消防庁)
| 固定方法 | 効果の順位 | 賃貸(穴なし)で使えるか |
|---|---|---|
| ネジ止め(L型金具等) | 最も効果が高い | 壁に穴が必要 |
| ストッパー式(粘着マット式)+ポール式の組み合わせ | L型金具と同等の効果 | 使える |
| ポール式単体 | 効果が小さい | 使える |
固定方法別:効果順位と賃貸適否
| 固定方法 | 効果の順位 | 賃貸(穴なし)で使えるか |
|---|---|---|
| ネジ止め(L型金具等) | 最も効果が高い | 壁に穴が必要 |
| ストッパー式(粘着マット式)+ポール式 | L型金具と同等の効果 | 使える |
| ポール式単体 | 効果が小さい | 使える |