転倒防止ジェルの「震度7対応」表示は本当か?東京都の加振テストで確認する
※このサイトのリンクには広告を含む場合があります。
結論(先に)
僕が確認できた範囲でまず言えるのは、「転倒防止ジェルの耐用年数」を公式に示した資料は、今回確認した東京消防庁・東京都消費生活総合センターの2つの公表ページには見当たらなかった、ということです。ここは正直に「確認できなかった」と書きます。
その代わりに一次資料から答えが出せたのは、「震度7対応」といった表示が実際の地震波テストでどうだったかという点です。
- 賃貸などで壁にネジを打てない人 → 単体の粘着マット式・ストッパー式・ポール式のどれか1つだけに頼らず、上下2種類を組み合わせる方式を検討する材料になると思います(東京都消費生活総合センターのテストで組み合わせ使用の実測値が出ています)。
- 「震度7対応」の表示を見て安心したい人 → 東京都消費生活総合センターのテストでは、そうした表示のある商品を含む7検体全てが震度6強相当で転倒(転倒相当を含む)しており、表示だけで効果を判断するのは危うい、というのが公的テストの結果です。
- 転倒防止ジェル自体の交換時期を知りたい人 → 公的な一次資料にその情報は無く、この記事では答えを出せません。メーカー公式の取扱説明書・製品ページで直接確認してください。
震度別の加振テスト結果(東京都消費生活総合センター)
東京都消費生活総合センターは2015年3月10日、市販の家具転倒防止器具7検体を実際にタンス・食器棚へ取り付けてテストを行いました。使った地震波は、兵庫県南部地震の神戸海洋気象台の地震波(震度6強相当)と、その60%の強さにした地震波(震度6弱相当)の2種類です。以下の表の数値はすべて東京都消費生活総合センターの公表結果によるものです。
| 条件 | 検体数 | 結果 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 震度6強相当(加振100%) | 7検体 | 7検体全てで家具が転倒(転倒相当を含む) | 2026-08-05 |
| 震度6弱相当(加振60%) | 3検体 | 1検体が転倒、2検体は10〜30cm程度の移動(転倒せず) | 2026-08-05 |
| 震度6強相当(加振100%)・組み合わせ使用 | 1組(ポール式+ストッパー式) | 移動10cm以下、食器棚は転倒せず | 2026-08-05 |
(出典:東京都消費生活総合センター「商品テスト結果『家具転倒防止器具の性能』」掲載2015-03-10・確認2026-08-05)
条件の記載なし、と書かなければならない項目もあります。粘着マット式・ストッパー式・ポール式それぞれの検体が具体的にどのメーカーの何という製品なのかは、テスト結果ページ上では検体記号(A〜G)でのみ示され、市販の型番とは直接紐づいていません。だから僕はこの記事で特定の製品名を挙げていません。
家具転倒防止器具の確認カルテは /tools/tokyo-shohi-kagu-test/ にまとめています。
「震度7対応」という表示と、実際のテスト結果の差
ここが今回一番はっきり確認できた事実です。東京都消費生活総合センターの発表文には、次のようにあります。
今回テストした7検体には、震度7相当での効果を期待させる表示をした商品もありましたが、震度6強相当の地震波でテストしたところ、7検体全てで家具が転倒(転倒相当を含む)しました
震度6強は震度7よりも小さい揺れです。それでも7検体全てが転倒(転倒相当を含む)した、という結果が公表されています。表示の強さと実際の効果は別物として見る必要がある、というのがこのテストからいえることです。
煽るつもりはありません。ただ、数字はそのまま置きます。震度7対応と書かれているから安心、とは僕は言えません。
単体使用と組み合わせ使用の差
東京消防庁のページには、固定方法の効果の高さについて次の案内があります。
最も効果の高い家具転対策器具はネジで固定するもの(L型金具等) です。できるだけ、ネジで固定することを心がけましょう。
そのうえで、ネジ止めが難しい場合の次善策として、こう案内されています。
ストッパー式器具(もしくは粘着マット式)とポール式器具を2つ組み合わせることで、一番効果の高いL型金具と同等の効果を発揮します。
この案内を裏付けるように、東京都消費生活総合センターのテストでも、単体使用では震度6強相当で転倒した検体(ストッパー式の検体E・ポール式の検体G)を食器棚の上下に組み合わせて固定したところ、家具は転倒せず、移動も10cm以下に抑えられたと記録されています。同じ検体でも、単体か組み合わせかで結果が変わった、という点は実測として確認できました。
家具転対策の全体像を確認するカルテは /tools/tfd-kagu-tentou/ にあります。
公的な性能等級はあるのか
今回確認した2つのページの範囲では、家具転倒防止器具そのものを対象にしたJIS等の公的な性能等級は見当たりませんでした。あるのは、東京都消費生活総合センターが実際に7検体を購入して加振した、この1回のテスト結果です。範囲は限定的(2015年3月時点・大型家具の一部方式)ですが、公的機関が実際に数値を出している点は、この分野では珍しいことです。
確かめ方と未評価
僕はこのページに出てくる転倒防止器具を実際に使ってはいません。数値は全て、東京消防庁と東京都消費生活総合センターが公表しているページの原文を、2026-08-05に確認して転記したものです。使用感・取り付けやすさ・実際の耐用年数は僕自身では評価しておらず、メーカー公式の仕様ページ・取扱説明書で確認する必要があります。
特に「転倒防止ジェルの耐用年数・経年劣化」については、東京消防庁・東京都消費生活総合センターいずれの公表ページにも記載がなく、今回の一次資料からは答えを出せていません。分かったら追記します。
東京都消費生活総合センターのテスト結果のページ自体にも、次のような射程の限定が明記されています。
当テスト結果は、大型の家具(タンス・食器棚)を対象として、特定の地震波、設置方法等の条件で実施した試験によるものであり、転倒防止器具の効果の有無や優劣を示すものではありません。
このサイトは匿名運営で、自前の実測はまだ行っていません。ここに書いたのは公表されている一次資料の内容だけです。仕様・表示内容は改定されうるので、購入前は必ずメーカー公式で確認するのが安全だと思います。(確認日: 2026-08-05)